今年に入り、弊社への資料請求が増えてまいりました。円安による物価高も数年経って落ち着いてきたこともありますが、私は何より太陽光パネルの影響が大きいと思っております。…と言いますか、ようやく正常に戻って来たかと感じております。
住宅のデザインは多様性に富んでおりますが、やはり万人をうならせるような建物には一定の法則があります。そのような建築物こそが長い間修復を繰り返し今日まで延命され、更にはその土地を多くの人を呼ぶ観光地に変えたりします。家も他のもの同様優れたデザインには付加価値がつきますので、アメリカではその為に設計士がいるといっても過言ではありません。(日本ではただの間取書きですが…。)
ところが太陽光パネルを載せる為の家とは、デザインなどほとんど関係ありません。ひたすら南面に屋根を向ける片流れ型であれさえすれば良く、テーマとなるのはいかに効率よく電力を生み出せる形かになります。
ここ数年の新築の家を見るとわかりますが、このような家が半分以上を占めていると思います。いわば太陽光の高価買取という国策によって、半ば決められた形の家々なのです。
ところがここへきて太陽光電力の買取価格が下がり、載せることにあまりメリットが無くなってきました。その為、従来家を選ぶ選択肢のひとつであった「デザイン」に目が向いてきたと思っております。言い換えると太陽光都合のみで計画されてきた家造りが、様々な嗜好を取り込める正常な状態に戻りつつあるという事でしょうか…。
単にアメリカン住宅が好きな私の主観かもしれません、でもこれで「太陽光パネルを載せるのでしたらデザインはこれ一択ですね!」というつまらない打ち合わせから解放されると思うとホッとします。
小栗工務店 小栗
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