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わくわく家人(うちんちゅ)コラムバックナンバー
 
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2012年12月25日
今年も一年間、多くのお客様にご愛顧頂きまして、誠にありがとうございます。今年は新しいモデルハウスが完成しまして、より多くのお客様に弊社の北米住宅を実際に見て頂く事が出来るようになりました。

来年もお客様によりよい住まいのご提案が出来るよう、頑張る所存です。それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。
 
2012年11月14日
北米輸入住宅の暮らし

北米輸入住宅の暮らし

北米輸入住宅の暮らし
あまり言ってはおりませんので当然評価はされておりませんが、この家はかなり社会実験的な意味をもった案件です。研究者、実験台共に私です。(笑) 又いつの日にか論文に挙げるかもしれません。

見た目でまず「かわいい」とだけ評価を受けますが、この家の真意はそんなものではありません。日本の家造りを根底から変えてしまうような意味合いを含んでおります。ただ訪問された方にその事を説明しても事の壮大さに理解されがたいようで、「ふ〜ん」で終わってしまうことが殆どですが…。

さてその自らが実験台となり、社会的変革の意味合いを含んだ旧モデルハウスの内容です。まず、この家の設計図はアメリカの設計図面集から選んで取り寄せました。そしてそれをほぼそのまま建てております。つまり「あちらの生活様式に日本での生活がどう干渉してくるのか?」…これを私自身が身をもって体験していく事となります。

私はあちらに暫く住んでおりましたので、実験台とはいうもののそれ程リスクは感じません。ただ家族が増えて大きくなっていく事は現在進行形ですので、欧米の間取りの使い勝手をどのように感じるのか…その辺はまだ検証段階ではあります。

その「ふ〜ん」で済まされているこの家の(日本では)常識外の部分とは!

・トイレ、ランドリールーム、ガレージ(妻の教室)を日当たりの一番良い南側に配置。
・リビングを北西側に配置、その上は20畳程の吹抜け。
・1階のドアはトイレ、ガレージ、ランドリールームの3ヶ所だけ。
・トイレ、洗面、浴室は同じ部屋の中に配置。
・主寝室に専用のトイレ、洗面、シャワールームを設置。(家の中にトイレ3ヶ所)
・西面に大きな窓を多数設置。
・玄関からリビングまで仕切りなし。
・エアコンは2台のみ。
・1階床はコンクリート土間の上に仕上げ材を施工。
・まだ日本では馴染みの薄いプラスチックサイディング(外壁)を採用。

北米輸入住宅の暮らし

北米輸入住宅の暮らし

北米輸入住宅の暮らし
欧米ですと「これのどこが特別なの?」と言われてしまいますが、日本の常識で考えるとまずこの間取りはありえません。設計士としても「大丈夫か?」と言われてしまいます。

ただ私が「社会実験という面がある」というのは、これらが日本社会に浸透して間取りの常識的な概念を覆せば、日本の家の自由度が飛躍的に上がるからです。さらにこれらは間取りの事ですから、多種ある工法や構造に縛られる事無くどんな人でも使えるオープンな事であります。

その結論から言いますと、この間取りでもほとんど問題はありません。ほとんどと言いますのは妻の仕事柄、毎日家に多数の人が出入りしますので後に仕切りを増やした部分があります。あとトイレが3ヶ所もあると掃除が大変なので、1ヶ所は使わないようにしております。

さてこの欧米の間取りの概念が広まるとどうなるのか?…まず日本では日当たりの悪い土地は安く評価される傾向があります。団地ですと南側の2/3ぐらいでしょうか。ところが家の間取りが方角に左右されなくなれば、日当たりに関わらず金額は一律になります。

欧米ではこのような考えですので、方角ではなくその土地から見える景観の良し悪しで値段が変わります。日本では山の北側斜面などなかなか買い手が付きませんが、景観は良いでしょうからこのような土地を持った地主さんは一気に利用価値が高まる事でしょう。

次に間取りで悩む事がなくなります。どんな家でも常識とされている日本の間取りのルールは、反対に計画者の足をかなり引っ張っており自由度を狭めております。その為、どんな設計者が設計してもたいして変わらない間取りになる上、多くの人に見られる家の顔となる道路側に生活感ありありの面を晒す事になります。

これが家の方角に左右されなくなれば、道路に面した家の面は格好よくデザインされ、少なくとも今のような公衆にお尻を向けたようなみっともない街並みからは一歩進む事ができると思います。ただ、普通にこの間取りを真似するだけではいけません。やはり欧米の間取りにはこれを成し遂げる為、造り方に工夫があります。

このまま書き続けるとそのまま論文になりそうですので一旦まとめます。小さいながらもこの家が持つ壮大なテーマそれは…「日本の家を方角の呪縛から解き放つ!」という事です。どんどん自身を縛る規制から解かれ、日本がさらに住みやすい国になる事を期待して、更に自ら検証していきます。
 
2012年10月09日
中国での大規模な暴動中以降、日本製品不買運動が高まっております。観光地では4000人ものキャンセルが起こり、旅行業者が打撃を受けているとの事…直接私の仕事に関係はありませんが、知らぬ所で中国に依存しないと経済が廻らぬところに来ているという事実は非常に気持ちの悪い事です。

毒餃子の件は記憶に新しいですが、以前アメリカで中国産のペットフードによるペットの大量死が起こりました。それ以来食品は決して値段だけで決めず、国産表示のものを選ぶようにしております。口に入る物でなければ良いだろうと、衣料品の原産国は気にしておりませんが、タグの国名を見る癖が付いてしまいました。

さて、住宅の建材です。国内建材大手メーカーも多分にもれず中国に工場を移転して生産しており、表示が「made in china」になっております。私共はアメリカから輸入している建材ですのでそれ程多くは無いのですが、たまに「made in china」とバッチリ書かれてくるものもあります。アメリカも当然の事ながら多くの企業が中国に工場を移転していますので仕方ないとは思っておりますが、アメリカでさえ中国抜きではやっていけないと思うとやるせなくなってきます。

よく目に付くのは、ウレタン製の外壁の飾りです。軽くてデザインが凝っていて、塗装がしやすく扱いやすい上にそれほど高くありません。飾りなので使い勝手には全く影響ありませんので、これくらいならいいかと思っております。

リーマンショック以前に、住宅バブルに沸いていたアメリカではシックハウスの事件が多発しました。原因を調べると内壁の仕上げ下地に貼る「プラスター(石膏)ボード」に多量の硫黄が混入されており、それで住まれた人に健康障害が出たり壁にシミが出てきたりしたそうです。そのボードは御察しの通り「made in china」でした。

時は住宅バブルの真っ只中…普段からあるはずの建材は生産が追いつかず、中国から大量に輸入したそうです。石膏の下地ボードなど何をやっても粗悪品などできようも無い気がしますが、白い粉末なら似てるからいいだろうと硫黄を混ぜていたのです。メラミン入り粉ミルクと発想は全く同じです。

日本でも震災後、合板工場が大被害を受けて市場に商品が出回らなくなってしまった時期がありました。その時、急遽中国から大量に合板を仕入れた建材屋さんがありますが、全部厚みが均一でなくとても日本では売れないと嘆いておりました。

日中間の経済摩擦が広がっていくのも問題ですが、世界がかなり中国に依存しているのも事実です。これから消費税増税に近づくにつれて駆け込み消費の需要も高まって行きますが、生産拠点を中国に移している企業は生産の拡大と生産意欲の低下が課題に挙げられるでしょう。反日感情が高まっている以上、毒餃子事件が又起こらないとも限りません。

できれば脱中国に向かい、国内での生産を高めるように企業には戻ってきて頂きたいですが、投資してしまってる以上難しい問題ですね。願わくばあちらの日本人管理者がこれまで通り強く発言できるだけの立場を維持できるよう、偉い方には頑張って頂きたいと思います。
 
2012年07月23日
これまで全くホームページでは触れておりませんでしたが、現在いつでもお見せできるような家を建てております。職人の空きを見計らって造っておりましたので、6月完成の予定が8月までずれこんでしまいました。

私が北米をまわって「こんなすごい家なら年が経っても高く売れるはずだ」と言葉を失って感動した家が、ほぼ再現できる事かと思います。…「ほぼ」と言うのは、流石に日本の生活習慣に合わせるべく仕様を日本風にアレンジしましたので、その部分は再現できずお茶を濁してしまった部分があるからです。

バスルーム例えばお風呂…あちらは「バスルーム」という部屋に浴槽、トイレ、洗面台などを皆一緒に設置してあります。お湯を貯める習慣は無く、浅い浴槽の中でシャワーをして体を洗います。ホテルでもこの造りは多いですね。日本のように外で身体を洗う事は出来ませんが、部屋が広く取れますのでトイレも洗面も広々とした空間にありとても贅沢に感じます。

「お風呂に入っている時、誰かトイレに行きたくなったらどうするの?」と言われますが、トイレがもう一つあれば別に問題ありません。(ちなみに、私の自宅はこのように造りましたが特段不便は感じません。)しかし、このスタイルは日本人には理解されがたいと感じましたので、素直にユニットバスを入れて浴室とトイレを分けました…。

玄関次に玄関ですが、ご存知の通りあちらは土足ですので、どこまでも靴のまま入って行ってしまいます。しかし日本に倣って、靴を脱ぐようになって来ているのも事実です。それでも玄関から段差の無い真のバリアフリーの家は本当に快適…と言うわけで、玄関框は無くしました。玄関土間タイル部分とフローリングは平になっておりますので、中に入られる方はここで靴をお脱ぎ下さい。
ガレージそしてガレージは…北米の家ではキッチンと同じように付いていて当たり前なのですが、さすがにこれを入れると70坪を超えてしまいます。(今は50坪です。)そんな大きい家は需要が無いと思いましたので造りませんでした。
薪暖炉控えめながら、ドカンとその存在感を示すべくリビングダイニングに薪暖炉を作りました。北米ではどの家庭にも最低2ヵ所はあるものですが、控えめに1つだけ…。

ともあれ、百聞は一見に如かず。ここに来れば、私が日頃お伝えしている「長期にわたって親しまれ維持される建物」と「長期にわたって存在可能な建物」の違いを感じる事ができるのではないかと思います。(長期優良住宅の認定を受けなくても…です。)

デフレ時代に合わせて建物の凹凸を削ぎ落とし、伝統美も色気も無い家がどんどん増えておりますが、家を最初の所有者で終わらせるのではなく、土地と同じく「流動する資産」とするには削ってはいけない部分があります。小さな工務店ながら混迷する日本の建築業界に一石を投じる家となり、大勢の方に見て頂けたらと思います。

それと同時に小冊子を新装しました。「なぜ家造りは北米を真似なければならないのか?」…その真相をわかりやすく解説した内容になっております。順次こちらも読みたい方を募るつもりです。どちらも今しばらくお待ち下さい。
 
2012年06月29日
消費税がついに上がる事になりそうです。3%になった時も、2000万円の工事でそれまでかからなかったものが60万円も増えたのですから相当な衝撃でした。それから5%になり、今度は8%…数年後には10%に上がりそうです。2000万に対して消費税だけで200万円!これを思うだけで卒倒しそうです。 「日常品については軽減税率を」とか「低所得者層にはキャッシュバックを行う」とか言っておりますが、これまでもそんな事はありませんでした。多分全ての物について同率の税金が課される事でしょう…。

よく外国と比べての消費税議論がなされますが、確かにアメリカは20%と高く、日本はまだまだ低いと言われます。しかし、住宅には軽減税率が適用されるか非課税となっており、生活必需品という事で優遇をされております。基本的に、欧米では中古住宅の売買は非課税というのが主流なのです。

ちなみに日本では、土地売買には消費税がかかりません、中古住宅でも個人売買でしたら消費税はかかりません。仲介業者を通すとしっかりと消費税が掛かるようになっております。住宅の質もかなり良くなってきておりますので、今後は中古車のようにネットなどを使った個人での売買が盛んになってくると思います。

その場合、中古であるが故のトラブルが増えてくると思いますので、正式な不動産業者でないブローカーのような人が増えてくるでしょう。大きな金額の10%ですから、それを節約する為には皆さん色々な知恵を使いますので、こうした取引が増えれば社会構造さえ変わってくるでしょう。それ程影響の大きな金額です。

消費が減れば増税した所で税収入は減ります。頭の良い方々が試算されてますからそんな事は無いでしょうが、いよいよ社会が「低賃金、高福祉」の欧米に近づいてきたような気がします。それは良い事なのでしょうが、心配なのは誰もが「今さえ乗り切ればいい」と考えており、将来を見据えて考ている人がいないような気がする事です。高福祉でもない、単純に負担を後送りにして今の子供に廻しているだけのような気がします。

子供達の無邪気な顔を見てると、自分達の負担を押し付けるとかそんな気にはならないのですが、それだけではやっていけない難しい現実があるとは思います。個人としては流れに逆らう事はできません。ただ公平に税が使われ、不満の少ない社会になる事を願うばかりです。
 
2012年05月21日
多くの営業の方が会社を訪れます。話を聞いて思うのは「もっと簡潔に説明できないか?」という事…たいてい自分の専門分野の事は頭の中で何度も反芻していますので「わかって当然」ですが、初めてその事について考え始めた人には「聞いてもわからない事」が山程あります。反面教師として、いかに人にわかりやすく説明するかという事が常に課題としてあります。

まず、みなさんが住まいを考え始めた時に疑問に思われる事…それは「どうしてこの家にしなければいけないの?」という事ではないでしょうか?究極の質問とも言えます。これに100%満足な答えを出せれば、もう他を検討する必要はありません。

しかし、だらだらと長く理由を述べていても、ただでさえ難しい話になりかねないので、聞く側も飽きてきてしまいます。短く簡潔に、誰にでも理解しやすい言葉とはどういったものか。私は時々、自分の小学生の子供相手に試しております。子供でも理解できる言葉であれば、忙しい大人でも数秒で理解できることは間違いありません。その問答の一例です。

自分: 「なぜお父さんが北米の家を造っているのかわかる?」
息子: 「さあ?」
自分: 「日本の家は15年も経つと0円になっちゃう。北米の家は30年経っても買った時の金額で売れるんだ。どっちがいい?」
息子: 「それなら北米の家がいいよ」

自分: 「なぜ家は見た目がかなり大事かわかる?」
息子: 「さあ?」
自分: 「美人と普通の人、どちらから結婚相手に選ばれていくと思う?」
息子: 「そりゃ美人に決まってるでしょ」
自分: 「家も美人に造らないと、選ばれるのが後になるのは一緒の事、しかもこれから造る物だから何とでもなる。ならば見た目美人に作ったほうがいいよね?」
息子: 「そりゃそうだね」
自分: 「平凡な家と北米の家、人でいうならどちらが美人だと思う?」
息子: 「北米の家だね」

…こんな感じでやっております。もちろん、「納得できない」と言われる事もありますが、その時は自分の説明の仕方が悪いんだと、更に噛み砕いて再度挑戦しております。

北米の住宅そんな折、一緒にアメリカへ連れて行ったのですが、「お父さんの言っている意味がわかった」とその時ようやく腹に落ちたようでした。「百聞は一見にしかず」、言葉で説明するのはほんとに難しいです。今回は画像多めで、少しでも北米を感じて頂けたらと思います。


北米の住宅 北米の住宅 北米の住宅
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2012年03月09日
「長期優良住宅」という数年前にできた制度があります。住宅がこの認定を受ける事によって建物の性能レベルが判定され、住宅ローンの金利が少し下がるそうです。良い事づくしのようですが、その認定をオーダー住宅で1から取ろうとすると、金利の下がった分以上に書類審査の費用が掛かってしまい、加えて用意する時間もかなりかかります。

大きなハウスメーカーはあらかじめ何十種類も家のパターンを造り、事前に用意しておいたそれぞれの書類からお施主様に選んで頂いた住宅の認定書をすぐに発行できる体制にしているようです。この制度は大手会社が有利ですので「工務店殺し」といわれておる所以です。

私達工務店はそんな用意周到に事前の準備ができるはずもありませんので、その対策として会社が集まって資金を出し合って組織を作り設計士にパターンをたくさん作ってもらい、それぞれあらかじめ認定を受けておく。お施主様にはその中から選んで頂いてハウスメーカーと同じように対応する…という事をしようとする流れができつつあります。

いずれにせよ、ファミリーレストランのメニューの中から「お好きなものをお選び下さい」というような単純な流れに、国は持って行きたいようです。当然その方が品質は安定するでしょう。もっと言えば真四角で総二階の形が一番丈夫なわけですから、そんな家ばかりになる事を望んでいるのでしょう。これだけ住宅の工法が多種多様だと検査機関も管理しきれないので、形だけでも単純にしなさいと言う事なのだと思います。

日本の住宅事情は大変複雑なので、それもやむをえないかもしれません。消費者の立場かすられば、食品のように数値で表されるのは安心でしょう。しかしこれに取り組むには、まだ引っかかる事があります。長期に家を持たせる為には「資材を適切に使う」事はもとより、「それによって出来たものに愛着が持てるどうか」が大変重要となります。この辺が霞ヶ関のお役人が造った制度なので完全に欠落しております。

カラーボックス家具で例えてみます。カラーボックス等のホームセンターの家具は丈夫で値段もそこそこ、引出しやら稼動する棚など色々な機能も付いて、丁寧に扱えば半永久的に使えるでしょう。「長期優良家具」とも言えます。

ところが、その多くは新築の引越し時に捨てられるか、納戸の隅に追いやられてしまいます。理由は「新築には合わないから」が多いのですが、長く使われたとしても世代を超えて引き継がれる事はまずないでしょう。反対にアンティークと呼ばれる家具は、機能など何も無くても修繕や再塗装を繰り返し、どんどん値が上がっていきます。

アンティーク家具 いくら丈夫で機能が良くても愛着の湧かない物はこのような結末を迎えてしまうのですが、こと長期優良住宅の制度は、ただ丈夫さや使いやすさだけを数値化して「長期優良」と判定しております。つまりカラーボックスは「長期優良家具」ですが、アンティーク家具はそれの対象ではありません。この辺が納得がいかないので、長期優良住宅に取り組まない会社はたくさんあります。

国内外に関わらず、100年以上もの時を経て現存している住宅を見ますと、残されてきた物には一定のパターンがあります。東大寺や法隆寺、あちこちにあるお城やお寺、あれらが長期優良を満たしているか?…決してそんな事はありません。大昔の物ですので、決して機能性能的には優れているわけではありません。しかしそこに本当の「長期優良」のヒントがあると思います。あれらは「愛着」を持ってもらえたので何百年も修繕されながら今日まであるのです。むしろ丈夫さや機能なんかよりも、そちらの方が大切かもしれません。

長期にわたって「持つ」ものと、「持たせてもらう」ものは違います。「持つ」だけであればカラーボックスで充分でしょう。「持たせてもらう」ためには、そこに愛着をもたせる「何か」を吹き込む必要があります。丈夫で機能的、更には長期にわたって「愛着」を持ってもらえる「何か」…これが一体となって、初めて欧米のような「長期優良住宅制度」が完成すると思います。実は、欧米を訪問すればそんな住宅はそこ等じゅうにゴロゴロありますので答えは解っておりますが、日本がそこに行くには気の遠くなるような時間が必要でしょう。

しかしこの制度の一番怖い点は、上記のような理由があるにも拘らず、それに取り組まない会社の住宅は「長期に優良な住宅ではない」と一般の方には誤解されてしまう事です。能書きはさておき、この流れに当社は今後どう取り組んでいくべきか…アンティークの家具をじーと眺めながら考えております。
 
2012年01月23日
「日本住宅生産性研究会」の講演に行って参りました。…それにしても硬い名前です。もっと柔らかく「欧米住宅システム研究会」とかにすれば入会希望者も増えるのでしょうが、この名前ではカビ臭い学者の集まりにしか思えません。つくづく名前は大事だと思います。

何度も同じ話を聞いているのですが、聞くたびに新たな気付きがあります。又、日本の現状と比べると、まるで富士山の麓から頂上を見上げているようで軽くめまいがします。海に隔たれ、陸路で外国に攻められる事なくのほほんとした日本…もし大陸と繋がっていたら、あっというまに駆逐され州のひとつにされてしまう事でしょう。

そんな事が無いが故、ガラパゴス的な独自の繁栄が築き上げてこれました。そう思うとイグアナも軍艦鳥も親戚のような気がして愛しくなってきます。大陸の都合に合わせる事なく独自の進化(?)を遂げる為には、自分達の世界に篭る事が重要なのです。

「ガラパゴス文化万歳!」と言いたいのですが、外部からの情報が入ってこないが故に一部の人間に操作されやすいのも事実です。偉い人が「これはこういうものですよ」と言えば、なんかおかしいと思っても海を渡ってその真偽を確めに行くわけには行かないので、大抵その通り進んでしまいます。日本人が「右へ倣え」をしてしまう癖は、こんなところから来ているのだと思います。

この事はどんな物にでも当てはまるのですが、今回はこと住まいについてのお話が聞けました。「シンプル」「モダン」などの言葉に、文化がどんどん削り取られ無くなっているのがわが国の現状です。どの国を見渡しても今の日本で見られるような、簡素化された住まいは見る事はありません。

巷にはガラパゴス日本ならではの住宅が多く見られるようになって来ました。 日本は終戦の後に文化が破壊され、それからの高度成長もあってか効率や機能が最優先とされるようになってきました。「文化」ではお腹が膨れなかったので、それらを無くす事によって豊かさを手に入れたのは仕方が無かったのでしょう…。

振り返ってアメリカはその時どうだったかと言いますと…既に豊かさを手に入れた国は「文化」を求めておりました。当時建国400年とは言え、若い国です。独自の文化とも言えるものをたいして持ち合わせておりませんでした。そうなるとイギリスやヨーロッパ、日本など歴史が長く文化の発展した国が注目され、建物の様式にも取り入れられる事となります。

プレーリー様式 宇治平等院アメリカにプレーリー様式というスタイルがありますが、これは宇治平等院をモチーフにしたものであり、この形式で建てられる輸入住宅は逆輸入されたものであります。
カントリー様式 和風住宅他にも軒の深いカントリー様式などは、日本の昔の和風住宅を真似て造られたそうです。

その為、輸入住宅のスタイルにはどこか懐かしさを感じる事があるのでしょう。皮肉な事に、自国の文化を否定した日本とは逆に、外国ではその思想は脈々と受け継がれていたのです。

そして現代に戻ります。完全にガラパゴス文化を自分達の物とした日本は、さもそれが外国で主流であるかのように世間に広がります。真偽を確める術はありません。「シンプル」「モダン」という言葉が横文字なので、さもそれが外国のデザイン様式の一つであるかのように一人歩きし始めます。例えそうだとしても、この流れが何百年も続けば、それが文化となっていくのでしょう。飾りをそぎ落とした四角の住まいの街並み…それもキチッとした国民性による文化と言えるのかもしれません。

しかしこのような住まいは世界中どこを見渡しても類がないので、決して本心から求めているのではないような気がします。どんな貧困国であっても、住まいにはそれなりに装飾がなされております。宗教色の濃い国ならなおさらです。

本心では文化を求めているのに、偉い人が「世界ではこれが主流ですよ」と言うがためにそれに流されている…これが日本のガラパゴス文化の真髄のような気がします。「機能」だけ突き詰めると最後は「住めればいい、腹が膨れればいい」という無味乾燥な物に行き着きます。そんな物が溢れた国には何の魅力もありません。

今回のお話で、「日本住宅生産性研究会」が行っているのは「失われた日本の文化を逆輸入している事」だと確信しました。葛飾北斎からピカソが影響を受け、ピカソから多くの画家が影響を受けたような事を、私共も行っているのだなと思います。
 
2012年01月01日
あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

想像を絶する未曾有の大震災を経て、日本は着々と復興しつつあります。私達の住む東海地区も大雨などの災害に見舞われましたが身の危険に晒される事は無く、こうして社員家族一同新年を迎えられた事は、どれほど運がいい事なのだろうかと幸せを噛締めております。

正月だけに明るい話題を探しておりますが、景気も依然として変わらず、更に今度は世界的に停滞しており、いい話が聞こえてきません。そんな中、当社は昨年も多くのお客様にご支持頂き、忙しい年を過ごす事ができました。お世話になりましたお客様には感謝の念が絶えません。

昨年辺りから感じている事ですが、資本主義がほころび始め時代が急速に変わろうとしているのがひしひしと伝わってきます。インターネットの台頭による情報化で、世界が均一化に向かっていると思います。それの前には国家機密でさえ隠し事はできないようで、全ての格差が平等になる事を求めて流れており、それを解消する為の手段として各地で衝突が多々起きているようです。

果たして日本は更なる国際化へ向かうべきか…しかし今国際化と言うと、世界同時不況という大きな渦巻きの中に引きずり込まれるような気がしてなりません。TPPに参加を懸念する背景には、「得体のしれない」という不安感がどうしても先に来ます。北米との取引の多い当社は、小さな会社ですが様々な情報がいち早く飛び込んできます。複雑となっていく国際情勢、今後もアンテナとなり地域の皆様に情報発信していけたらと思い、挨拶に代えさせて頂きます。
平成24年1月1日
小栗幸喜
 
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